さて、私は卒後5年目の平成元年に帰郷し、父と親子診療を始めました。当時は勤務医が在職していたので、歯科医師三人体制で一日100人ほどの患者さんを診ていました。そんな親子診療も約半年で破綻します。ご他聞にもれず周囲でも親子診療でうまく行っている診療室は少なく、とりわけどちらかの性格が強いとその傾向が強いのでしょう。二世代同居だったせいもあり、夕食時まで診療のことで言い争いになり、杯を投げ合うことも一度や二度ではなく、結局父は上記のクリニックを開設するに至りました。 少し話が脱線しましたが、私が引き継ぎすでに25年が経ちました。バトンタッチできる後継者はいませんが、平成26年に診療室の大改装をおこない、2階だった診療室を1階に移し、バリアフリーとしました。祖父が興した診療室が無事に100周年を迎えられるように患者さんと歩んで行けたらと思っています。